前回は、groin painの定義についてお伝えしました。
今回は、groin painの評価をしていく中で、気をつけていることについてお伝えします。
これまでお世話になってきたJIN整形外科スポーツクリニック(埼玉県さいたま市)の仁賀定雄先生やリハビリスタッフ、畑中仁堂先生(埼玉県川口市:じんどう整骨院アスリート)をはじめとした先生方から学ばせていただいたことや論文・著書等を参考にお伝えさせていただきます。
【問診】
痛みを発生するに至った背景を知るためには、まずは『問診』が非常に重要となります。
問診では、痛みの部位、受傷機転、どういった動作で痛みを感じるのか、いつから生じているのかなどの確認を行います。
また、股関節・鼠径部の痛みを発生する以前(数ヶ月~半年、場合によっては1年以上前)に遡って、痛みにつながる機能不全を起こす要因となった他のケガ(外傷・障害)やトレーニングなど、何かしらの原因がないかどうかも確認します。
仁賀先生からは日頃から、「問診でケガの8〜9割は推測ができる。診察や画像診断は、問診で推測されたケガと所見とが一致しているのかを確認して、診断を確定させるため。(言葉は多少違っているかもしれませんが...)」と言われてきました。
スポーツ現場への帯同時など、医師がいない場合に選手に対応することも多く、評価・治療に入る前にはまず「問診」をして、どういう状況でケガをしたのか、そのケガや痛みに至った原因は何かを選手に聞きながら、病態の推測をしていくことが大切になってきます。
【評価】
問診の後に、患部(股関節)の状態の確認を行います。
また、患部だけでなく、全身の評価も行い、機能不全の有無(各部位の硬さや可動性・筋力低下の有無・筋出力のタイミング・安定性・動作の連動性など)についても確認します。
そこから、股関節・鼠径部周辺の痛みを誘発していると考えられる原因を探っていき、アプローチの道筋を立てていきます。
私自身は、トレーナー・鍼灸マッサージ師であり、診断はできません(診断ができるのは医師のみ)ので、問診や評価などから得られた情報をもとに、どういうケガなのかを想定して施術に当たるようにしています。
その中で、明らかなケガが疑われるものや医師の診断が必要と考えられるものに関しては、病院(整形外科、特にスポーツ整形)を受診して医師による確定診断を受けることの必要性を説明させていただきます。
次回は、groin painの治療や予防に関してお伝えします。
たけスポーツ鍼灸マッサージ院
熊本市東区御領1-8-38 長嶺ビル102号
TEL:096-221-4796
Mail:takehara@takespo-shinkyuu.com